「武器としての決断思考」を読んだ

今回読んだ本はこれ↓

武器としての決断思考 (星海社新書)

武器としての決断思考 (星海社新書)

東大×京大×マッキンゼー

という仰々しい触れ込みで京大生協に大量に平積みされてました笑
来年から同じ会社で働くことになる同期にこの教授の存在を教えてもらったこともあり、読んでみました。
(文章中にその、来年からの会社の名前が出てきたことに二重の驚きがありました笑)

京大のパンキョー科目の内容を一冊の本にしたものだけに、かなりわかりやすい(&とっつきやすい)内容なのでオススメです。



本書で著者が繰り返し重要だと説くのが、「ディベート思考」なるもの。

どういうことかを自分なりの言葉にすると・・・
具体的なテーマを設定(問題を定義)して、そのメリットデメリットを比較し、議論、反論を重ねて問題の本質を掘り下げるというディベートの方法を、「個人の意思決定」に落とし込んで利用してやろうぜ!
ということでしょうか。


自分が何かを判断して行動をとるときに、その意思決定を支える思考力に関して具体例などを交えて丁寧に解説してくれます。

以下、読んでいて心に刺さったフレーズや気になった言葉などを引用しつつまとめてみます。
(要点をすべて押さえたわけではなく独断と偏見でまとめてるので詳しく知りたければ本を読んでください笑)




どういった人材を目指すべきか?・・・(中略)
知識、判断、行動のすべてをセットでこなすことのできる、交換不可能な人材

「優秀の定義は?」などという言葉はよく聞いたことがあり、自分でも考えたことはあったのですが、答えの一つとしてこの定義は自分の中ですごくしっくり来ました。
この章では他にも、「エキスパートとプロフェッショナルの違い」などについても触れられていたのですが、まさに、単なる専門家の枠を飛び越えて、横断的な知識、経験をフルに活用して何かを生み出すプロフェッショナルがこれから先日本を変えていくんだろうなと感じました。
どんな仕事にしろまずは一分野から掘り下げて知識経験を積み重ねていくとは思うけれど、これさえやってりゃOKではなく、視野を広く物事に取り組んでいくのが大事なんでしょうね。

サンクコストの問題。・・・(中略)
これは何かというと、ひと言でいえば、それまでのコスト(時間や努力、支払ったお金)を過大に評価してしまうこと

かなり辛辣なあるあるネタですね・・・笑
この章では、正しい判断を邪魔するものとしていくつか挙げられていたのですが、あまり効果的なやり方ではないと内心気付いていながら、やり方を変更できず、惰性でずるずるとやってしまった勉強法とか、心当たりはありすぎて辛いです。

ゼロベースの判断、とか聞き飽きたけど、やっぱり意識してないとこういう無意識のバイアスに邪魔されてることは多そう。
別の章では「ブレない生き方は、ヘタをすれば思考停止の生き方になります」とも書かれていましたが、まさに!と言った感じ。

朝令暮改、大いに結構!」という尊敬するある人の言葉を鮮明に思い出しました。


いったん引用はやめにして、普通に感想。

本書の中では、就職活動を題材に、意思決定の最善策を模索する例が示されていたんですが、これがすごく自分の就職活動の経験とかぶるところが多く面白かったです。

自分が就職活動で悩んでいるときに定期的に相談に乗ってくれる友達が複数いましたが、今思えば、彼らとの議論の中の質問、疑問こそがこのディベート思考、意思決定力の一助として大いに役立っていました。

「それってホンマにそうなん?」

「別の会社でもそのやりたいこと、もっとできるんちゃうん?」

「それはどこの会社でもそう言うって」

などとズバズバと質問されまくったあの経験こそがまさに著者の言う「決断思考」だったと思います。
持つべきものは友人、と言いますが、改めて感謝、感謝です。


最後の最後に、著者が言っていた実は大事なことがこれ↓

ディベート思考とは、客観を経て、主観で決断する方法です

正解を探すためではなく、最善解を探すためのものであり、最後の最後決断を下すのは自分だということ。
理屈で悩みぬいたあと、結局えいや!と行動するのは自分だということ。
すごく大切なことであると感じました。
知識→判断→行動、の3点セットが出てきたけれど、「行動」がもっとも勇気、胆力を必要とする部分だと思います。


めまぐるしく変わる状況の中で、その都度自分の頭で考えて最適解を模索し、これだと思ったらとことんやりぬく姿勢を身に着けて行きたいですね!!!!!


以上、覚書き程度の書評でした。